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怪談新耳袋 開けちゃだめ編~感想&元ネタ解説!※原作ネタバレあり

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──開けただろ──

怪談新耳袋第2シリーズ、「開けちゃだめ編」のDVDに収録されているストーリーを紹介していきます!ドラマ版と原作「新耳袋」とのストーリーの変更点など、双方のネタバレありなのでご注意ください!

目次

第36話:やめて

主演:上条誠
監督:山口雄大

■ストーリー
中学二年生の四郎(上条誠)がホームビデオを録っている。お茶目なお母さんや怒りっぽいお姉ちゃんを映していた四郎。だが夜10時近く、家のドアノブがガチャガチャと動き出す。恐る恐るドアを開けると──誰もいない!だがそれはお父さん・戸部隆夫44才のイタズラだった。母親にドン引きされる父親の姿をカメラで映していると、再び、ドアノブが動き出し・・・

■解説
怖い系 

戸部家に巻き起こる怪異を描いた三部作の最初の一話。四郎が撮影したホームビデオの映像=POV形式で話が進む。この時点ではまだドアノブをガチャガチャするだけだった。四郎のモノマネが猪木推し。

■原作解説
第八夜 八十五話「定時」
同じ巻の八十七話に「やめて」、八十八話に「やめて、やめて」とタイトルが一緒のものがあるが、ドラマ版と内容は違うので注意。この「定時」の前半の内容が「やめて」、後半の内容が次の「もうやめて」となっている。ちなみにドラマ版では中学生だった息子は、原作ではまだ小学校三年生。また、姉ではなく妹がいる。

第37話:もうやめて

主演:水木薫
監督:山口雄大

■ストーリー
ドアノブの怪異が起こってから2週間。その現象は決まって夜10時15分に始まり、大体10分ほど続いて止む事が解った。家族はその減少に慣れ始めて、放っておくようにしていたが・・・

■解説
怖い系 
今度はドアノブだけではなく、家中のスプーンが曲がる、テレビが倒れる、電子レンジが爆発するなど嫌がらせがヒートアップ。そしてそのあとに登場する、ものすご~くインチキ臭い祈祷師を、新耳袋原作者の木原浩勝さんが演じている。

ちなみに、隆夫の同僚が話していた映画「ヘルハウス」というのは、地獄邸と呼ばれる家を調査する科学者たちのお話で、70年代のゴシックーホラー映画である。

■原作解説
第八夜 八十五話「定時」
    九十話「往来」
前半のポルターガイスト現象が「定時」、後半の(ドラマでは怪しい)祈祷師のエピソードが「往来」となっている。原作ではちゃんとこの御祓い師さんが除霊して心霊現象を止めている。

ドラマの「これは、ただ事じゃないな」という父親のセリフは原作と一緒。また、タイトルになっている「もうやめて」は、九十話「往来」で母親が呟いたセリフである。

第38話:来るなら来い!

主演:伊藤洋三郎
監督:山口雄大

■ストーリー
家に心霊現象が起き始めてから3ヶ月が経過。ついに心霊現象を科学的に調査する黒ブチ眼鏡集団がやってくる。彼らは謎のハイテク機器を駆使し、家中の電磁波を除去してくれた。それから1ヶ月間は何も起こらなかったが、ある日、深夜に1階から物凄い音がする。家族全員で見に行ってみると、そこにはたくさんの死者たちが蠢いていた・・・。

■解説
怖い系 
何故か戸部家の人たちがインタビュー形式で応えていくという、心霊番組のようなつくりになっている。木原さんが演じた祈祷師といい、今回の眼鏡集団といい、ノリが良いタイトルといい、この戸部家シリーズはほぼギャグなんでは・・・。

■原作解説
第八夜 九十一話「階下」
原作では家ではなく、父親の仕事先の寮の1階に幽霊がぎっしりと現れる。が、御祓い師に除霊してもらった後は、家にも寮にも幽霊がでることはなくなった。

第12話:庭

主演:中原翔子
   長曽我部蓉子
監督:高橋洋

■ストーリー
家で何か不穏な気配を感じるかおり(中原翔子)は、霊感を持つ友人の悦子(長曽我部蓉子)を呼ぶ。悦子は何もないというが、帰り際、ドアの前にたくさん置かれた花束の幻を見る。そして悦子が帰った後、二階から突如掃除機の音が聞こえ、かおりが確認しにいくと、そこには・・・

■解説
怖い系 ★★★
その後の悦子からの電話で「庭で何ってたの?」と聞かれ、かおりが庭を見下ろすと、大きな檻の中に入った真っ白い裸の男の姿を見る。・・・実はその家では殺人事件が起きており、犠牲者は庭で飼っていた猛獣のエサにされていたことが明らかになる、というストーリー。

女優霊やリングで脚本を勤めた高橋洋さんが監督をしている。そのためか二人のやりとりや常に不穏な空気が漂っている演出など、短編ながらもホラーとしてのクオリティは高く、新耳袋の中でもファンから人気の高いエピソードとなっている。

■原作解説
第五夜 二十七話「庭」
原作では主人公は男性で、まだその家には住んでおらず物件探しにやってきた状態で怪異に遭遇している。ドラマ版も怖いが、原作の檻の中の幽霊の姿はかなり衝撃的。因みにこの家で起きた殺人事件とは、「冷たい熱帯魚」などの元となった「埼玉愛犬家連続殺人事件」だと思われる。(ただしあくまでウワサであり、犠牲者が実際にエサにされていたかどうかは定かではない)

第28話:あそぼ

主演:小西舞
   塩月瑞葉
監督:森山亨

■ストーリー
団地で友達と遊んでいた栄子は、5階の窓に自分たちを見つめている女の子(塩月瑞葉)がいることに気付く。その女の子に「あ・そ・ぼ」と声をかけると、窓際の女の子・明美は栄子を自分の家に誘うのだった。それから1年、明美と遊びたくなった時は、栄子が「あそぼ」と書いた紙切れを、5階に住んでいる明美のポストに入れ、それを見た明美が栄子の家へ迎えにいく、というやりとりを続けていたが・・・。

■解説
不思議系 ★★
お話の雰囲気や、次は栄子が窓際の女の子になってしまう・・・というオチは怪談というより「世にも奇妙な物語」に近い。

■原作解説
第八夜 四十二話「あそぼ」
原作では主人公と一緒に遊ぶのは男の子。だが、両親と共に家を確認しにいくと、男の子の名前が思い出せなくなり、それ以来男の子と会うことはなくなってしまった。

第8話:開けちゃだめ

主演:堀ノ内美月
監督:堀江慶

■ストーリー
祖父の家で一人で留守番をすることになったつぐみは、祖父から「今日は絶対に仏壇を開けちゃだめだよ」と言われる。だが、仏壇を開けてしまうつぐみ。ふと後ろを振り返ると、そこには見知らぬ少女が立っていた・・・

■解説
怖い系 ★★★
ラストの、見知らぬ少女が仏壇にダイナミック帰宅するシーンは笑えるが、そのあとの表情が結構怖い。結局あの少女が仏壇の持ち主(?)の祖母なのか、なぜつぐみを仏壇に連れ込もうとしたのか、ラストの祖父が何故あんなに怖い顔で迫ってくるのか、一切謎となっている。

■原作解説
第五夜 八話「開けといて」
原作ではドラマ版とは真逆で、おばあちゃんから「仏壇を開けておいてね」と頼まれる。だが仏壇の部屋が怖くて出来ずにいると、勝手に仏壇が開く音がした・・・というストーリーになっている。

【最後に】
ドラマの戸部家シリーズは、原作ではドラマ版のエピソードだけではなく、かなり色々な怪異が起きているんですよね。御祓い師の言い分だと家が立っている場所、土地が悪いようなのに、なぜ父親の仕事先にまで幽霊が出るようになったのか・・・これが触れると感染する「穢れ」ってヤツなのかもしれません。

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