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怪談新耳袋 第1夜~感想&元ネタ解説!※原作ネタバレあり

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怖い話、聞きたいですか?

2003年に放送されたホラーオムニバスドラマ、怪談新耳袋。その記念すべき第1シリーズのDVD「第1夜」に収録されているストーリーを、原作の解説や感想を含めご紹介していきます!ドラマ版と原作「新耳袋」とのストーリーの変更点など、双方のネタバレが含まれますのでご注意ください!

目次

第7話:エレベーター

主演:内山理名
監督:清水崇

■ストーリー
真夜中に帰ってきた理香。いつものように、エレベーターのボタンを押すが・・・

■解説
怖い系 

清水崇監督の、理香(内山理名)を主人公としたシリーズの1作目。「エレベーター」の時点で理香の恋人である史彦(水橋研二)も登場しており、郵便受けに友人たちからの結婚式の出欠ハガキが届いている様子が伺える。(このあと第2夜で「サトリ」→「待ち時間」と理香と史彦の話が続く)

余談だが同じく清水崇が監督を勤める「呪怨」の主人公も「りか(理佳)」である。(ショートカットで雰囲気もどこか似ている)

■原作解説
第二夜 五十話「エレベーター」
内容はほぼ変わらない。が、主人公は「サトリ」や「待ち時間」とは勿論別。

第1話:来客

主演:植松夏季
監督:豊島圭介

■ストーリー
美香の家に突如響くノック音。だが来訪者の声は姉と母には全く聞こえておらず・・・

■解説
怖い系 ★★
姿が見えない、ドア向こうの存在への恐怖を描いたショートホラー。因みにこの話の様に、豊島監督のショートホラーは冒頭で「語り」が入る場合が多い。

■原作解説
第六夜 十三話「来客」
内容はほぼ変わらないが、ドラマ版と違い扉は開けていない。

第35話:ニシオカケンゴ

主演:奥貫薫
監督:鶴田法男

■ストーリー
ある夜。ふすまの向こうから謎の男、ニシオカケンゴが現れる。彼は夫の名を挙げ「絶対連れていく」というが・・・

■解説
怖い系 ★★
「本当にあった怖い話」などでお馴染みの鶴田監督のショートホラーなので、全体的に「ほん怖」や「あなたが知らない世界」的な雰囲気。この話に登場する「ニシオカケンゴ」は第1夜のDVDのパッケージにもなっている。

■原作解説
第四夜 十八話「ニシオカケンゴ」
ドラマ版ではふすまを破壊するほど凶暴な「ニシオカケンゴ」だが、原作では奥さんにずっと罵り続けられて朝を迎える。

第34話:カセットテープ

主演:大森南朋
監督:佐野史郎

■ストーリー
夜中、部屋に響くカチャカチャという音で目が覚める宍戸。音の発生源を調べると、押入れの中から古いカセットテープが見つかる。そのカセットには、昔のバンド仲間との思い出が詰まっていた・・・

■解説
怖い系 
監督が佐野史郎さん、主人公は大森さんという豪華なキャスティング。この話ではエンディング曲が通常のものとは違い、上記のバンドの曲が流れるという仕様になっている。

■原作解説
第四夜 三十一話「カセットテープ」
原作ではカセットテープを聞いている最中に、バンド仲間が事故に遭ったという電話がかかってくる「死を知らせる話」だったが、ドラマ版では自殺したボーカルの女性が、恋慕っていた主人公の元へやってくるという恐怖系な話に変更されている。

第26話:棚さがり

主演:渡辺いっけい
監督:吉田秋生

■ストーリー
単身赴任中の男。彼は一人で暮らしている。が、ひとりぼっちではない・・・

■解説
怖い系 ★★★
通常のホラーとは違う一風変わった演出で、渡辺いっけいさんの怪演が光る作品。

■原作解説
第七夜 四十三話「棚さがり」
原作は「男の子の幽霊がぶらさがっている」という話だが、ドラマでは孤独にうちひしがれた男が徐々に狂っていく様子を描くなど大幅なアレンジが加えられている。独り言を延々と喋る渡辺さんの芝居が素晴らしいので、ドラマの方がおすすめ。

第30話:背広返し

主演:岡本信人
監督:三宅隆太

■ストーリー
最近娘に構ってもらえず、わざと酔っ払って帰ってくる父親。そんな父親を心底ウザがる娘だが、ある日帰ってきた父親は、なんと背広が後ろ前になっていた!そうまでして構ってもらいたいのかと呆れる娘だが、ある日、父親と同じように近道をして家に帰ると・・・?

■解説
ギャグ系 ★★
ドラマでは父親と娘の確執が胸に痛い話となっている。背広返しが娘にも訪れた時の、岡本さんの満面の笑みが素敵。

■原作解説
第七夜 六十八話「背広返し」
近道にとある林を通った時にだけ起こるという、いわゆるキツネに騙された系のお話。原作では父親が深酒をしていない時に限って起きている。

第19話:覆水

主演:石野真子
監督:鶴田法男

■ストーリー
父の命日が近づき、忙しい母親と珍しく買い物にでかけたことみ。そこで買った父の好物であるメロンを自分で持ちたいと母親に頼み込む。「絶対落とさないでね」と注意され、帰り道ずっと、メロンだけを見つめて歩いていたが・・・

■解説
感動系 ★★
亡くなった父親とすれ違うという、第1夜で唯一の感動系のお話。原作と比べ母親の性格や設定が変更されている。

■原作解説
第七夜 八十五話「覆水」
子供が男の子から女の子に、好物が西瓜からメロンに変更されている。また、ドラマではすれ違いざまに一言だけあった「いい匂いだなぁ」という父親の台詞は、原作では存在しない。何故この話のタイトルが「覆水」なのか、ドラマを見ただけではイマイチ解かりづらいかもしれない。

第31話:ビデオ

主演:三輪明日美
   三輪ひとみ
監督:木原浩勝

■ストーリー
姉の新居へ遊びに来た妹。だが、そのマンションは何かがおかしかった・・・

■解説
怖い系 ★★★
三輪姉妹が互いに「あっちゃん」「ひとちゃん」と呼び合うなど、そのまま本人役として出演している。更に冒頭で明日美を送り届けた父ちゃんが、本当に三輪姉妹の父親だったりと気合の入れようが凄い。しかしお話の中身よりも、ひとみさんの笑顔が一番ホラーな気がする。

■原作解説
第六夜 九十五話「ビデオ」
原作のこの話は、第6巻に収録されているとある幽霊マンションで起こる怪談を集めた第9章「居にまつわる二十の話」のうちの一つ。実際では「リング」を鑑賞中にドラマ版と同じようなことが起きている。

第9話:妹の部屋

主演:佐久間信子
監督:豊島圭介

■ストーリー
真夜中、金縛りにあい白装束の幽霊を見た佐和。両親に幽霊が出ると訴えるも「そんなワケない」と取り合ってもらえない。だが、兄の武春は「午前2時に決まっておまえの部屋からうめき声が聞こえる」というが・・・

■解説
怖い系 
一番オーソドックスな心霊系のストーリー。幽霊が白装束というのはやはりデフォなのか。

■原作解説
第六夜 二十五話「妹の部屋」
ほぼ原作と同じストーリーだが、兄の笑いが止まらなくなる展開はドラマ版オリジナルのもの。

第20話:修学旅行

主演:栗田梨子
監督:三宅隆太

■ストーリー
修学旅行で訪れた、とある旅館。そのトイレで見たものは・・・

■解説
怖い系 ★★★
怪談では定番の、トイレが舞台の怖い話。だが映像的には第1夜の中でぶっちぎりに怖い。

■原作解説
第五夜 十七話「修学旅行」
原作では男子中学生が古い旅館で遭遇した怖い話。ドラマ版と同じように、ドアの下の方から女の顔が水平に現れたらしい。

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【合本版】新耳袋 第六夜?十夜 現代百物語<新耳袋> (角川文庫)

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【最後に】
主に原作との相違点を中心にまとめていましたが、「ビデオ」が本当に三輪一家総出演だった事実に爆笑しました。木原さんほんと三輪さん大好きだな!!

因みに今回は原作の5巻分をまとめた電子書籍版をご紹介させて頂きました。が、原作は本来、1巻ごとにわざと100話にならぬよう99話までしか収録されていない作りとなっています。なんでも100話読み終わると怪異が起こるのだとか・・・。一気読みされる方はどうぞご注意くださいね・・・?

↓「エレベーター」の続編も!第二夜の解説はこちら!

↓新耳袋 劇場版感想はこちら!