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【映画感想】スペル~最終鬼畜婆ちゃんがしつけぇ!!~おかえり僕らのサム・ライミ監督※ネタバレあり

スペル コレクターズ・エディション [DVD]
理不尽度 ★★★★
恐怖度 ★★★
ホラー演出 笑えるかどうかは貴方次第

結論:逆恨みにも程がある!

原題:Drag Me to Hell
2009年 アメリカ
監督:サム・ライミ
※本編ラストのネタバレあり。未視聴の方はご注意ください※

 

/主要人物/
■クリス(吹:小島幸子)
銀行の融資担当として働いていたが、BBAを担当したことで最悪な目に遭ってしまう。農家の娘なことや昔太っていたことがコンプレックス。

■クレイ(吹:小野塚貴志)
クリスの恋人。いいとこのぼっちゃん。
現実主義者で呪いや心霊現象を信じていないが、呪われてパニックになっているクリスを心配し、色々と手助けしてくれる。だがある意味彼がトドメを刺してしまうことに・・・。

■ガーナッシュ(吹:片岡富枝)
ローンを2回も滞納しときながら延長に応じてくれなかったことに腹を立て、たまたま受付を担当していた主人公を逆恨みして呪ってくる最強呪殺兵器婆ちゃん。入れ歯の無い口で主人公に嬉しくないキスを連発してくる。色々と汚い。

最大の見所:これぞサム・ライミ!なホラー演出

執念深い老婆と主人公の攻防を描いたホラー映画で、最初から最後まで婆ちゃん推し!。主人公絶許の一心で駐車場に止めてある車にまで乗り込みキャットファイトを繰り広げた挙句、(実際は喰らいついているつもりで)主人公の口をハミハミしてくる婆ちゃんとか本当に誰得なのだろうか。

元々サム・ライミといえばカルト映画の監督として人気で、特に「死霊のはらわた」の目潰しシーンが有名だが、今回は恐怖演出が過剰というか斜め上というかマニアックというかもはやギャグ
死んだあとも悪霊となって容赦なく主人公に襲い掛かってくる婆ちゃんに何故か物理攻撃が有効で、重いものを上から落とされて頭に直撃!→目ん玉吹っ飛びー!というマンガのようなリアクションした時は腹筋が死ぬかと思った。

他にも悪魔に取り憑かれた男が空中をフワッフワ浮いてるところとか、主人公の鼻血噴水シーンとか、やりすぎてコミカルにみえる描写が多い(だがそこがいい)

他にもこの映画のホラー演出には、主人公の口の中にやたら色々なものをツッコミたがるという特徴がある。ハエやスカーフ、腕を一本まるごと、更に死体の体液(オェェェ)など様々なものをツッコまれる姿に、見てるこっちが吐きそうになること請け合いである。

人を呪わば穴二つ※ただし主人公に限る

最善を尽くしたとはいえないかもだが、一応は上司にも掛け合い、その上で融資を受けられないと判断したというのに、逆恨みされた挙句呪われ、1万ドルの大金をかけて霊媒師に呪いの解除を頼むも結局は失敗。最強の霊媒師も悪魔に殺されてしまう主人公。

絶望しかけたところに霊媒師の弟子から、呪いの発端となった「ボタン」を誰かに贈れば助かることを明かされる(ただし贈られた人間は地獄逝き)。師匠、完全に無駄死じゃね?

一度は自分を陥れた同僚に渡そうとするも、憎んでいる相手とはいえやはり生きている人間は可哀想だと思ってしまい、なかなかボタンを贈る相手を見つけられない主人公。
しかし、ボタンを贈る相手が死者にも有効ということが判明!これ幸いと婆ちゃんの墓を掘り返し、婆ちゃんの口の中に今までのお返しだと言わんばかりにボタンが入った白い封筒をツッコむ。

全てが終わり、新しいコートも購入。ルンルン気分で恋人のクレイと待ち合わせした駅のホームへ向かう主人公。だがクレイから、車の中で見つけたという呪いのボタンを手渡されてしまう!

なぜプレゼントフォーばあちゃんしたはずの呪いのコインをクレイが持っていたのか?

実はクレイの趣味は古い硬貨あつめ。映画の冒頭では、主人公から貰った稀少コインを、大事に白い封筒に入れていた。

そして霊媒師が死んだ夜、車の中で呪いのボタン入りの封筒を落としてしまった際、実は主人公は、稀少コインが入った封筒を間違って拾ってしまっていたのだ!

最悪なタイミングで伏線を回収してしまった主人公。哀れ今までの苦労は全て水の泡となり、原題の通りのエンディング(Drag Me to Hell)を迎えてしまった──

というオチ。

一応は主人公も生贄のためににゃんこを犠牲にしたり、融資を断った事を「支店長のせい」と他人のせいにしたりとあまりいい人間には描かれていない。が、婆ちゃんの呪いが理不尽すぎて「仕事だからと言わずちょっとぐらい譲歩しようぜ!」という教訓なんぞどうでも良くなってくる。

人を呪わば穴二つ──この言葉を主人公だけではなく、ぜひとも婆ちゃんにも適用してもらいたかったものである。

~こんな人にはオススメできません~
■汚い系は止めて欲しい人
ホラーやグロ描写よりも、色々なモノを口移しされるという汚いシーンが多い。生理的にダメ!な人にはオススメしない。

最後に

作中で召還された悪魔として「ラミア」の名前が出てきますが、実際はラミアは悪魔の名前ではなくギリシャ神話に登場する半身半蛇の女の怪物のことで、呪い云々の映画の内容は完全にフィクションなのであしからず。
しかし映画の婆ちゃんは最強すぎて逆に笑えるけど、現実に存在するこういうモンスタークレーマーは笑えないよねぇ・・・。

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